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2000年以前に建てられた家の約85%は大地震で倒壊する!? [住宅性能]

81年の建築基準法改正以降の家でも安心できない!?

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合は、
1950年から2000年5月までに着工された木造軸組工法の建物1万2332件を対象に耐震診断を行った。

診断結果によると、
震度6強で「倒壊の可能性が高い」(評点0.7未満)は59.57%
で、
同「倒壊する可能性がある」(評点0.7~1.0未満)は25.16%
だった。

つまり
「2000年5月以前に建てられた木造住宅の84.73%は、
大地震で倒壊する可能性がある」
ということだ。

特にびっくらこいたのは
建築基準法が改正された翌年の82年でも
平均評点は0.8強=「倒壊の可能性がある」
ということだ。
建築基準法では
「震度6強でも倒壊はしない。結構壊れるけど」
を最低レベルにしているはず。

今まで数々の住宅専門家に取材してきたが、
多くは
「耐震性は82年以降の家なら安心できる」(違法建築じゃない限り)
という意見だった。

これってどういうこと?
築20数年経てば強度が落ちて当然?

もう一つおまけにびっくらこいたのが、
調査対象のうち
「倒壊しない」(評点1.5以上)が2.34%
しかないことだ。
100件中2件しか高耐震のお墨付きをもらえていない……。

私は転勤していた仲間から阪神大震災の生々しい話を聞いたことがある。
その経験から「家は地震に強いが第一!」と考えるようになった。
しかし意外に世の中は耐震性に関心がないのだろうか?
これらの数字はかなりショックだ。

ちなみに耐震補強工事の平均施工金額は
136万3528円
とのこと。
これを安いと見るか高いとみるか。

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optimist

新潟の時も、上空から撮影していると、大きな建物が倒壊している横で、最近の小さい建物が、しっかり残ってたりしてたのが印象に残っています。
我が家は2×4なのですが、東海地震が気になる地域なのも選んだ理由の一つだったりします。
by optimist (2009-09-17 23:28) 

前太

optimistさんコメントありがとうございます。
「上空から撮影」というとテレビカメラマンか何かをされているんですか?
by 前太 (2009-09-18 09:48) 

たいせい

 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の元データーを確認しましたが、建っている建物を無作為抽出した結果ではなく加盟業者が耐震診断をした家(つまりは所定の費用を払ってでも耐震診断して欲しいとの依頼があった家)、における比率のようですね。
 また団体としても、耐震診断や耐震補強を業として行っていらっしゃる方達の団体であり、悪意でなくとも何らかのバイアスが掛けられている可能性があります。(最低限安全側で見るのが基本でしょう。)

 私自身、新潟県中越地震・能登半島地震・福岡県西方沖地震・新潟県中部沖地震などを業界団体の現地調査団の一人として現地を踏みましたし(阪神淡路も当時は別の業界にいましたが現場を踏んではいます)、E-ディフェンスでの既存住宅の耐震実験などにも何度か立ち会わせていただきましたが、実感としては昭和56年の建築基準法改正以後の建物はシロアリによる虫害や構造材の腐朽などがない限り、そう簡単に倒壊する物ではないとの感想を持っています。
 もっと言えば昭和56年以前の建物でも震源地にありながら何の被害も起こっていない建物も確実に存在し、今では構造強度以上に虫害や腐朽の影響の方が大きいかもしれぬとすら感じています。
(阪神淡路についても、倒壊建物の多くからシロアリの後が確認されたとの報告書をどこかで読んだ記憶があります。)

 詳しくは私のBLOGの震災現場の調査報告書の記事をTBさせていただきますのでご一読いただければと思います。

PS.
 余談に流れますが、地震の調査というのは今のところ倒壊建物を調査してどんな建物が壊れたかを見るという方法しか取られていませんが、無事な建物を分析して何故この建物が無事であったかを見当する手法を併用する必要があると感じてます。
 被災地に行くと、古い建物も意外なほど壊れずに残っています。

 また建物の構造以上に、地盤の影響の方が遙かに大きいと感じています。(古い建物はほとんど地盤の補強をしてありません)
by たいせい (2009-09-18 22:44) 

前太

たいせいさんいつもコメントありがとうございます。
確かにこの調査の対象は、「耐震性に不安があるから診断して」という人の家が中心でしょうから、「85%」をそのまま鵜呑みにはできませんね。
ご指摘感謝します。
TB拝読させていただきました。
「建物の強度だけでなく地盤&シロアリも問題」。
なるほどです。
今後も気がついたことがあればご教授お願いします!
by 前太 (2009-09-21 10:25) 

kido_azusa

私は伝統工法の家を建ててもらってから、建築基準法のことを考えるようになりました。日本の高温多湿、地震の多い国に適した建て方はなんだろうということです。神社・お寺のように現在でも長期優良の建物は多くみられます。今更、長期優良住宅と称して、神社・お寺のような建て方を無視した流れに疑問を感じています。建築基準法の根本の考えそのものがおかしいのではないでしょうか。壁の量、筋交いの有無に目がいきすぎていると感じます。
by kido_azusa (2009-09-22 08:16) 

前太

kido_azusa さんコメントありがとうございます。
私は建築の専門家ではないので法律のことはよく分かりません。
もし、根本的な問題があるなら恐ろしいことですね。
誰が、どう正すのか……。



by 前太 (2009-09-24 09:36) 

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