木造住宅を建てるなら必読!「長持ちする柱・4か条」教えます。 [グランディアホーム]
丈夫な柱は色でわかる!?
先週末、地元千葉の工務店「グランディアホーム」↓の
http://www.grandiahome.jp/
「千葉県産『杉』『桧(ひのき)』勉強会」
に行って来た。
同社は
地元千葉県産の「ムク材」、
添加物の入らない「珪藻土」、
天然素材の断熱材「セルロースファイバー」、
炭をベースとした「防蟻剤」、
といった自然素材を使った家づくりにこだわっている。
それでいて
「ユニットバスがいい? OK、OK」
「光触媒の外壁? そうですよね。汚れちゃイヤですよね」
という具合にある程度の利便性も考慮する柔軟な会社だ。
今回の勉強会の会場は、
同社で建設中の建築現場。
講師は木材を卸している製材会社「木下林業」の社長、木下氏だった。
講義内容は、「なぜ木の家?」から。
15年ほど前、NHKの番組で、
・ ビニールクロスの壁の部屋
・ すべてムク材の壁の部屋
・ ビニールとムク材の壁が半々の部屋
で調湿効果の実験を行ったそうだ。
各部屋で15分間加湿をすると湿度は、
・ ビニール 90%
・ ムク材 59%
・ ビニール、ムク材半々 62%
になった。
その後、乾燥剤を部屋に入れると、
・ ビニール 20%
・ ムク材 55%
・ ビニール、ムク材半々 57%
に。
人間にとって快適な湿度は40~60%。
60%以上だとカビやダニが発生しやすくなり、
40%以下だとインフルエンザウィルスが活性化するからだ。
木の家はこの50%前後の湿度を維持する効果がある。
上記のように、たとえ壁の半分でもだ。
長さ3㍍で12㌢角のムク材は、
ビール大ビン2本と1/2の水分を保有しているそうだ。
つまり1.5リットル前後。
そのうち「1/2」(約300cc)は調湿効果のため、
常に出し入れされている。
実際にある大学で、
木で作られた小学校の校舎と、
鉄筋コンクリートの校舎で、
児童のインフルエンザ患者発生率を10年間調べたところ、
鉄筋の割合は木造の2倍も高かった。
そのほか「木の断熱性の高さ」や「皮膜を作る塗装はするな」
などの知識やノウハウを教わった。
最後に
「じゃ~、木のなかでもどんな木を使えばいいのですか!?」
と伺ったところ、
簡潔な4か条をいただいた。
丈夫な家を建てるならこんな木材を使え!4か条
1.樹齢60年以上の木を使え!
60年以下は活発に光合成を行うため油を出し、
強度が足りない。
2.自然乾燥させた「ムク材」を使え!
機械によって強制乾燥させた材は調湿のための細胞が死んでいる。
野ざらしで乾燥させた材がいい。
また、集成材は年輪が逆を向いて接着させたものが多く、
数年経つと「ねじれ」「そり」により接着面がはがれる危険性が。
そもそも接着剤は揮発するので体によくないし、
火災時は有害なガスを出す。
↑4つの木材を接着して作られた集成材。外側と中の材は年輪の向きが逆。
3.まっすぐに育った材を使え!
山の斜面などで曲がって育った材は、
まっすぐに育った材に比べ弱い。
理由は製材し、柱になった時点で「赤味」(「4」参照)部分が少なくなるからだ。
曲がって育ったかどうかは、
柱側面の赤味部分を見ればいい(下画像参照)。
4.「赤味(身?)」の材を使え!
木材の中心付近の赤い部分を「赤味」といい、
表側を「白太」という。
木は赤味部分が強度、防虫・防腐効果ともに高く、
木下氏いわく、
「白太の5倍長持ちする!」。
赤味の耐久性の目安は、
「樹齢の倍」。
つまり樹齢60年の柱で建てた家は120年は頑丈さを保つそうだ。
ちなみに法隆寺の柱は樹齢400~500年のヒノキの赤味だそうです。
なるほど、周囲を見渡すと柱(杉)は、
ほとんどがまっ赤っ赤。
ホント塗料を塗ったように赤い。
そのなかからまっすぐな材↓、
↑赤味部分が上から下まで続くのが真っすぐな材。後ろの柱もまっ赤っ赤。
曲がった材↓も教えてもらった。
↑画像の中心部分と上部が赤い。赤味部分が途切れ途切れだ。
とはいえ、すべてまっすぐな赤味の材で家を建てるのは、
非常に高額になるとのこと。
木下氏は、
「赤味の多い材は使用環境の厳しい外壁周辺に、
少ない材は家の内部に使えばいい」
と教えてくれた。
同社は腐りやすい*土台に耐久性の高いヒノキを使っている。
水平に設置されたこの材を見ると、
赤味部分はしっかり傷みやすい下の方(基礎側)に向けていた。
*基礎の上に横たえて設置し、その上に立てる柱をつなぐ横材。地面からもっとも近い木材なので湿気の影響を受けやすい。
http://www.weblio.jp/content/%E5%9C%9F%E5%8F%B0
今回の勉強会はめちゃくちゃ参考になった。
けっして大手メーカーでは教えてくれないことばかりだ。
思い返せば初めて家を建てた5年前、
盲目的に「とにかく大手なら安心!」
と住宅展示場巡りしかしなかった。
(詳しくはこの辺http://menchi-da.blog.so-net.ne.jp/2007-03-06から読んでください)
だが、多くのハウスメーカーは、
外国産ホワイトウッド(白太)の集成材を使用している。
新品時の強度は国産ムク材以上だろうが、
30年後の強度は誰にも分からない。
(だから「鉄骨」にしたんだけど)
次に家を建てるなら「手作り感」「オレだけ感」のある
木の家にしたい。
その際は絶対に、
この4か条にこだわってみようと思う。
グランディアホームに感謝!
木下氏にありがとう!
最後の木下氏の言葉が印象的だった。
「家は買う(選ぶ)ものじゃないの。
しっかり勉強して”手に入れる”ものなの!」
今回の内容の一部はこちら↓でも確認できます。
http://www.grandiahome.jp/events/post_10.html
*いや~、今回の記事はなぜか勝手ながら「書き上げた感」がある。気持ちいい~!
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集成材についてもそうなのですが、昨今の建築現場では信頼性の実証のないものが平気で使われている雰囲気を感じています。
この記事にも書かれているように、集成材に使われている接着剤の経年変化はまだ実証されていないはずなのに。(少なくともベニヤの接着剤は、そんなに持ちません)
また気丈で考えられ10年単位でのフィールドテストを経ていない段階の高気密高断熱住宅は、熱か教による結露に起因するシロアリ被害で大変なことになっているようです。
建築に於いては保守的すぎるぐらいでちょうど良く、変える必要がどうしてもある物以外はかえるべきではないと感じています。
なお私は、「家は買うものではなく、建てるもの」だと考えています。
by たいせい (2009-11-14 00:18)
はじめまして。
前太さんのブログはいつも楽しく拝見させていただいております。
今回、木造と鉄筋コンクリートの校舎ではインフルエンザ患者の発生率が違う!とありましたが、その他にも木造校舎だと鉄筋コンクリートの校舎より児童がストレスを感じないそうですよ。これも何年間かのデータを取った結果だったと思います。木って体にいいんですね(^▽^)
もう一点、木の赤味部分を下に向けていたとありましたが、木造建ての家は木が育った方向に柱は建てるので下に向けたのではなく、木は下の方が太いので製材すると赤味の部分がたくさん出でくるのではないでしょうか?松は横に枝を伸ばすから梁には松がいいともいいますしね。
前太さんのブログ楽しみにしています。
by かいじゅう (2009-11-15 11:56)
たいせいさんコメントありがとうございます。
上記の木下氏は、自宅の庭に集成材と桧のムク材(地元産と県外のブランド物)を野ざらしに置いて、劣化テストを行っています。
写真でしか見ていませんが、
たしか3年後には集成材の接着面が剥がれはじめていました。
県外のムクは若干シロアリにやられ、
地元産は多少カビが生えるといった状態でした。
住宅とは違う過酷な環境とはいえ、
驚きの画像でした。
by 前太 (2009-11-16 09:23)
かいじゅうさんはじめまして。
コメントありがとうございます。
いただいた文面からの予想ですが、
かいじゅうさんは建築業界の方ですか?
今後もいろいろ教えていただければうれしいです。
よろしくお願いします。
by 前太 (2009-11-16 09:44)
大変勉強になる記事、ありがとうございました。無垢材の調湿の力、木の家とインフルエンザとの関係、無垢材への浸透性塗料の重要性‥どれもなるほどとガッテンするものでした。
by kido_azusa (2009-11-17 20:29)
kido_azusa さんコメントありがとうございます。
この記事の最後に「勝手に満足している」と書きました。
それは私も「ガッテン」だからです。
ハウスメーカー回りをはじめて約6年。
「もう勉強することはそんなにないだろ」
と思っていたのに、
これらの情報は非常に新鮮でした。
理想の家づくりへの情報収集は、
一生続けても終わらないでしょう。
「まだまだ勉強が足らん!」
と思い知らされたイベントでした。
by 前太 (2009-11-18 09:56)
はじめまして。
今回のブログを読ませていただき、少々興味をもったもので、
早速グランディアホームに連絡させていただきました。
実は私、来年度千葉県内に家を建てるので、
現在もろもろ調査中&勉強中です。
もちろん本物の無垢の家にこだわっており、
接着剤その他にも一切妥協はせず、
しかも価格にもこだわりたく…。。。
(予算も限られているもので…。)(^_^;)
千葉県内で気になっている会社のひとつに、
スズキ建築設計事務所があります。
ホームページはぼろぼろだったもので(失礼!)
直接出向いてお話を伺ったのですが、すごく勉強になった次第です。
前太さんも、もしもお時間がとれるようでしたら
是非アクセスしてみてください。
(実は、この会社についても前太さんのご意見を伺えたらなぁ、と思い、
ちゃっかりとコメントさせていただきました!)
よくわからないのですが、日本の林業を元気にしたい、と
考えている設計事務所って結構あるのかも、と改めて感じた次第です。
ただ、今の私としては、将来の林業がどうのこうのよりも
どこに頼めば本当に安心して任せられるのかがとっても知りたい!!!
というのが本音です。
この業界に対してズブの素人であるがためにその判断がくだせず、、、
非常に苦戦しているところです…。
というわけで、今後も前太さんのブログ、とても期待しておりますので、
今後ともよろしくお願いいたします。
by あ・かずきん (2009-11-19 16:06)
あ・かずきんさんはじめまして。
コメントありがとうございます。
このブログを読んで行動していただき非常にうれしいです。
スズキ建築設計事務所さんのHP、拝見しました。
ホント見にくいですね……。
こちらのお返事もかねて次回の記事を書かせていただきます。
多少は参考になるかもしれませんので、
よろしかったら読んでみてください。
by 前太 (2009-11-19 19:35)