家を建てるなら売却価格にもこだわりたい。 住宅診断の現場を取材! [ホームインスペクション]
状態の良し悪しで20年後に1000万円以上の差が!?
ご無沙汰しております。
最近IKEA家具を組み立てたり、
耐震補強の専門家の取材に行ったりで、
全然ブログを書けませんでした。
すいません。
(でも、仕事が続くのはうれしぃ~。関係者各位の方々ありがとうございます!)
さてそんな中のある日曜日、
日本ホームインスペクターズ協会(JSHI)↓
http://www.jshi.org/
の「住宅診断の実演・解説イベント」に行ってきた。
同協会は、
「住宅購入者が安心して購入できるよう、
住宅の診断ができる専門家を育成し、
住宅流通市場の透明化・活性化を促進させる」
ために設立された組織。
つまり買おうとする中古住宅の、
「欠陥住宅ではないか」「買ったあと、いつごろ、どこに、いくらくらいのお金がかかるのか」「あと何年くらいもつのか」
といった不安を解決してくれる技術者集団というわけだ。
インスペクターになるには特別な資格等は必要ないが、
実際には一級建築士や木造耐震診断士なども多いとのこと。
このような専門家から
家の傷みやすい場所と対処法
を聞いておけば、
これから建てる家も将来高値で売れる仕様にできるはずだ。
実演では築14年のツーバイフォー住宅におじゃまし、
ベテランインスペクターから、
「家の壊れやすい部分」
「その部分の見方」
などを教わった。
↑こんな機材を使う。
↑壁にレーザー光線(画像中央)を当て部屋の傾き調査。
1mmの誤差でも判別できる。
上の画像はキッチン上の天窓。
キッチンは床や壁などの汚れや水漏れを気にする人が多い。
しかし、意外な盲点が天井。
調理時の熱で結露を起こすからだ。
画像では木製の窓枠に結露によるシミが出来ていた。
この部分から腐り始める危険性がある。
窓や壁の断熱性がいかに重要かが分かった。
このような
「素人でも簡単にチャックできるが、
意外に気づかない傷みやすい場所」
を数多く見ることができた。
*具体的に知りたい?
では近々にどこかの雑誌など媒体でご紹介します!
実演終了後は、
協会理事長の長嶋氏が、
日本の中古住宅市場の現状と今後の予測を解説。
日本の中古住宅売買件数は年間約40万戸。
新築の2分の1程度だ。
一方、イギリスは新築の10倍、アメリカは3倍。
圧倒的な差だ。
大きな理由の一つに政府の経済政策があった。
「住宅建設法」によって経済効果の高い新築住宅の購入に対し、
税制やローン金利の優遇などを行ってきた。
しかし世は少子高齢化へ。
その結果、家が余る状態に。
2008年の空家率は約13%。
2040年には43%になると予想されている。
「こりゃーもったいない」
しかも平均寿命約30年と短命な日本の住宅は、
「産廃などが大量に発生し資源の無駄」
そして、
「住宅より日常生活にお金をかけた方が楽しいし、
景気もよくなるんじゃない」
「断熱性の高い家は光熱費がかからないから環境にも、
お財布にもやさしいよね」
ということで2006年6月から住生活基本法が施行。
中古住宅市場の活性化
や
住宅の高性能化(長期優良住宅)
を国が促進することになった。
従来、日本の中古住宅は
・ 築年数
と
・ 駅からの距離
だけでほぼ値段が決まってきた。
そのためいくらオーナーが
「こんなにこだわった家なのにーーー!」
と叫んでもこだわっていない家と売却価格はそう変わらない。
事例はこちら↓。我が積水ハウスを査定しました。
http://menchi-da.blog.so-net.ne.jp/2009-03-18
2000万で建てた家の価値が1年に100万ずつ減る計算だ。
「老後は家を売って駅前のマンションに」
と思っても買うことができない
![[がく~(落胆した顔)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/142.gif)
中古住宅を買うほうも値段に住宅の程度が反映されていないので、
相場価格で購入したのに「入居後に修繕の連続」ということもありうる。
まさにロシアンルーレット状態だ。
そこで注目したいのがホームインスペクション。
専門家が第三者の目で程度を診断しその結果は、
販売価格が適正なのか、の判断材料に用いることができる。
アメリカでは中古住宅購入者の8割前後も利用している方法だ。
政府もインスペクションの普及活動をバックアップしている。
今後はインスペクターの利用が当たり前になり、
劣化が少なく、丈夫な家は高く評価され、高値で売ることができるようになるだろう。
欧米では築20年以上でも家の状態や街並みが良ければ、
新築価格の8割程度で売却できるらしい。
2000万円で建てた家が1600万円。
一方で状態その他が悪ければ0円。
びっくり仰天の差。
日本もいずれはこのようになるはずだ。
*家が1600万円、土地が2000万円で売れれば、3000万で駅前2LDKのマンションを購入し、余ったお金で小ベンツとホームシアターが買え、さらに夫婦で海外旅行に行ける。絶頂満足の未来予想図だ。
(田舎に土地100坪&家庭菜園で自給自足でもいい)
そういえば耐震診断を専門とする一級建築士の方が言っていた。
「建築基準法をギリギリ満たす耐震性能1の基準は、
”震度6でも倒壊しない”だけです。
命は助かりますがその後、住めるかどうか分かりません。
耐震性能3であれば多少外壁や部屋の壁紙に亀裂が入るでしょうが、住み続けることはできるでしょう」
ますます、今度家を建てるなら性能にこだわりたい、
そう思わせてくれた取材でした。
椎名前太ホームページ↓ 『あなたの心から納得する家』が簡単にわかる! http://www.zenta1.com/
ブログランキングに参加しています。
クリック↓どうかお願いします!(おかげ様で現在20位前後です。ありがとうございます!)
にほんブログ村
椎名前太ホームページ⇓ あなたの「心から納得できる家」が簡単にわかる!
http://www.zenta1.com/
ブログランキングに参加しています。
クリック↓どうかお願いします!
toyoさん、niceありがとうございます。
by 前太 (2010-03-25 09:08)
ホームインスペクションで科学的に家の価値を査定するんですね。江戸時代から建っている伝統的建造物の査定はどうなるか、興味津々です。やっぱりゼロでしょうか。
by kido_azusa (2010-03-29 18:57)
kido_azusa さん、コメントありがとうございます。
ホームインスペクションは、
家の価値というより、
「これから何年住めるの?」
「補修するならどこ?」
といったメンテナンス部分を見るようです。
案外、伝統構法は高評価かもしれませんね。
今度機会があれば聞いてみます。
by 前太 (2010-03-29 19:39)
masakunさんniceありがとうございます。
by 前太 (2010-04-13 09:28)
たいせいさんniceありがとうございます。
by 前太 (2010-04-13 09:29)