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奈良の法隆寺から木造住宅の実力を知りました。 [木造VS鉄骨]

いよいよ「木造VS鉄骨」に決着?

「屋上は造りたくないんですよね~」
「梁は、たわんで当たり前です」
「10年も住めば隙間は出来て当然ですよ」

すべて木造住宅に対する工務店の社長など専門家の声だ。
普通のサラリーマンだった6年前の我が家検討時から、
住宅ライターとなった現在までずっとこのような意見を聞いてきたので、
正直、木造建築には不安があった。
だから鉄骨の積水ハウスに満足しているという部分もある。

一方で話を伺った専門家たちは、
全員そろって
「自分の家を建てるなら木造にする」
と言う。

そこで毎度おなじみ
なぜ・なぜ攻撃[目]
を連発するが、
「木造も鉄骨も性能的には一長一短。
ならばエコで自由度の高い木造がいい」
といった「もうちょっと具体的にぃ~」といったお答えがほとんど。

そんなモヤモヤが胸に渦巻く先週、
嫁が奈良へ旅行に行ってきた。
平城遷都1300年祭を体感するためだ。

門.jpg

私は日本史チンプンカンプンの飛び抜けアンポンタンだ。
(世界史専攻ですからぁ……[ふらふら]

対する嫁は奈良時代(西暦700年)前後に関しては、
高校の先生レベル(根拠なし)。
だが建築に関しては、からっきしスカポン。

そんな嫁が当時の建築に関して、
興味深い知識を入手してきた。

なんでも法隆寺周辺には、
ボランティアでガイドをしてくれる方が複数おり、
通常はネットで予約が必要だが、
この日はたまたま外人に予約をすっぽかされたとかで、
暇にしているガイドさんに声をかけられたそうだ。

その方によると、


サウナ.jpg
↑大昔のお坊さん用お風呂。
当時はほとんどサウナ様式だったらしい。

鬼がわら.jpg
↑奈良時代の瓦はみんなこのように丸い。
なぜ? 

高床式.jpg
↑高床式倉庫?
高床の理由は、
・ 虫よけ
・ ネズミよけ
と思っていませんか?
実は
・ 安いから
だそうです。
隙間風ビュービューでも住居じゃないからOKということらしい。

法隆寺.jpg
↑だから人の出入りが激しいところは高床式じゃない。

壁.jpg
↑こちらは江戸時代にリフォームした土壁。
下のほうは丸太で、上に行くにしたがい段々と細い材で押し固め、
一番上はドラムのスティックほどのものを利用するらしい。
その段々の過程が壁面の横線で見える。

こういった解説で一番びっくらこいたのが、

「世界中の寺院の中でも木造建築は日本くらいです」

ということ。
法隆寺2.jpg
↑日本で寺院といえば木造以外ないでしょ。
(でも千葉の海沿いコンクリ打ちっぱなしもあったなぁ)

なんでも仏教を伝えた中国の寺院は石造りがほとんどらしい。
しかし日本は
地震大国。
仏教伝来当初は石造りで建てていたが、
ことごとく崩壊。

そこで地震に強い木造が一般的になったそうな。

「木造は地震に強い?」

そう思った人もいるはず。

確かに一つの部材としてみれば、
強度は石や鉄に劣る。
しかし、軸組み構造として組み上げれば、
全体で柔軟に地震力を吸収する。
いわゆる制震構造になる。
つまりシーカス(積水ハウス)やエムジオ(ミサワホーム)は必要ないのだ。
だからシロアリや腐食などの被害がない限り、
木造は地震に強い。

これは専門家に
「頑丈さでは木造より鉄骨でしょ?」
と質問した際に必ず聞く答えだ。

さらにガイドさんの解説は続く。
軸組み構造は本来、
クギなどの金物を使用しない。
ほぞやほぞ穴などを利用して文字通り組んでいく。
なぜなら鉄は木材より早く腐る(さびる)から。
だから1000年以上も立っていられるのだそうだ。

もう一つおまけに軸組みにはメリットがある。
解体&移築が簡単ということだ。

奈良時代は頻繁に遷都を行った。
・ 飢饉
・ 流行病
などなど様々な理由で。
そのたびに寺院用に木材を切り出し、建て直すのは大変。
だが、軸組み構造なら
「あらよっと[パンチ]
と接合部を引っこ抜き、
「どっこいしょ[ダッシュ(走り出すさま)]
と再度差し込めば移築終了。

なんて合理的なんでしょう[ぴかぴか(新しい)]

法隆寺柱.jpg
↑こんなぶっ太い柱も金具なしで組み上げちゃうとは!

木造といえばシロアリが心配だった。
しかし鉄骨の積水ハウスも防蟻処理をしている。
根太や建具などへの被害が懸念されるからだ。

それ以前に個人的には、
ゴキブリやムカデなどの気持ち悪い系対策のためにも、
定期的な防蟻処理は必須と考える。
その点では鉄骨も木造も同じ。

それに前出の専門家によると、
「木材のたわみなんて気にする必要ありません。
それくらいの誤差で耐震性や断熱性が損なわれることは
ほとんどありませんから」
(えっ、屋上? 屋上は止めておいた方がいいかも……)
とのこと。

ならば
・ エコ
・ 癒し
・ 安価
・ 圧倒的長持ち
・ 自由度高し
の木造軸組みもいいかも。
考えを新たにした嫁の旅行でした。


木造VS鉄骨のつづきはこちら↓(建築学会が木造を禁止!?)

http://menchi-da.blog.so-net.ne.jp/2010-09-14

 

 

10万円以下でレーシック手術を受けてきました
その様子はこちら↓
http://menchi-yo.blog.so-net.ne.jp/2010-01-18

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タグ:木造VS鉄骨
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コメント 4

前太

kashimiさん、niceありがとうございます。

by 前太 (2010-09-08 10:21) 

yanasan

訪問、nice!ありがとうございます
by yanasan (2010-09-08 21:03) 

前太

yanasanさん、nice&コメントありがとうございます。
toyoさん、niceありがとうございます。
by 前太 (2010-09-09 09:29) 

前太

masakunさん、niceありがとうございます。
ヒロさん、niceありがとうございます。
by 前太 (2010-09-14 09:13) 

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